準備編の目次
- 旅券申請、出張旅程の立て方と航空券などの手配
- 査証(VISA)申請・取得
- 感染症予防接種
- ホテルの予約
- 現地生活情報(衣食住)
- 生活関連手続き
- 携行品と現地調達
- 電圧とプラグの形状
- 海外旅行損害保険
- 両替為替/送金
- インターネット海外ローミングサービス
- 携帯電話ローミング
- クレジットカード
2.1 旅券申請、出張・赴任計画、航空券の購入
海外へ出張するには、まず旅券(パスポート)を取得していること、 パスポートの残存期間がどれくらいあるか、査証(ビザ)が事前に必要かどうか、 そして、どの交通機関を使ってどの経路で目的地まで行くか、どこに泊まるのかなど 出張スケジュールを踏まえて事前にある程度考えておく必要がある。
2.1目次
2.1.1 パスポートの取得
2.1.2 旅程の立て方
2.1.3 航空券の予約・購入
2.1.4 滞在費の見積と外貨の用意
2.1.1 パスポート(旅券)の取得
(1) パスポート(旅券)について
パスポート(旅券) とは、政府ないしそれに相当する公的機関が発行し、国外に渡航する者に国籍およびその他身分に関する事項に証明を与え、外国官憲に保護を依頼する公文書である。
旅券は、一般に国家間で移動する場合に必要なものであり、査証(ビザ)は旅券に刻印ないし貼付される。査証が渡航先の政府による出入国管理であるのに対し、旅券は渡航元政府による出入国管理の役割を果たしている。
日本のパスポート
- 日本のパスポート(旅券)の有効期限は、5年間(紺色)と10年間(赤色)。以前は、1回のみ使用の限定付きながら出国から帰国まで無期限有効の「一次旅券」も申請・取得できたが、現在は、期限内なら何度でも出帰国できる「数次旅券」が原則的となっている(法令上は一次旅券制度自体は残っている。)。
- 一般用のほかに公務で外国へ行く国家公務員用の公用旅券(「OFFCIAL PASSPORT」表記、緑色の表紙)と、外交団や外交官用の外交旅券(「DIPLOMAT」表記、濃茶色の表紙)がある。こちらは一般旅券とは逆に一次旅券が原則であり、皇族、大臣等の政府高官、職業外交官など渡航が頻繁な者に限って数次外交旅券・数次公用旅券が発給される。
- 1995年(平成7年)11月の法改正により、5年間に加えて10年間の有効期限の旅券も発行されるようになった。ただし、未成年者の場合は5年間のものしか取得できない。
- 1878年(明治11年)2月20日に、「海外旅券規則」において初めて法的に「旅券」という用語が使われた。その120年後にあたる1998年(平成10年)に、これを記念して2月20日を「旅券の日」と制定した。
- 日本の在外公館において事実上の国章として慣例的に用いられている菊花紋章(十六弁八重表菊紋)に似た「十六弁一重表菊紋」が、表紙中央に印刷されている
写真:五年用の旅券(wikipediaより)
(2) パスポート申請について
初めての海外出張・旅行の人は、先ずパスポートを申請、取得する。申請から取得までは10日程度かかるので準備は余裕を持って行なう。パスポート申請に関して、更新情報が外務省Passport A to Zに掲載されているので確認しておく。
パスポートの申請は、住民登録をしている各都道府県庁窓口で行なう。東京都の場合、生活文化局パスポート申請ページ参照して下さい。その他の道府県でも同様なサイトがあります。
- 一般旅券発給申請書1通
- 戸籍謄本又は戸籍抄本1通
- 写真(4.5x3.5)1枚
- はがき1枚
- 本人確認のための書類(免許証等)
- 住民票 (住基ネットの関係で免除される場合がある)
旅券は、住民票のある都道府県の旅券窓口で申請する。国内窓口で申請するのに必要なものは:
- 申請用紙(窓口にある)
- 戸籍謄(抄)本 - 本籍地の市町村役場に請求する
- 住民票の写し(本籍記載) - ただし住基ネットに接続されている自治体住民は不要
- パスポート用の顔写真 - 写っている顔の大きさに制限があるので、撮影の際には注意すること
- はがき(宛先は住民票記載の住所 発給通知を受けるのに必要)
- 身分を証明する文書(運転免許証など)
※未成年者は親権者の同意が必要 同居親族は申請のみ代行出来る(この場合も続柄の証明が必要)以下のようなケースでは、必要書類が異なるので確認すること。
- 国外(在外公館)で申請する場合
- 国内で残存有効期限が1年を切った際に申請する場合(切替発給)
- 紛失や損傷した場合(再発給)
- 姓名・戸籍が変更になった場合(訂正)
- ページの残りが足りなくなった場合(増補)
- 特殊な事情による緊急発行(国外で親族が事故や事件などに巻き込まれ、 急いで渡航する必要が生じた場合)
経験豊富な人の場合、パスポートの残存期間を確認しておく。残存期間によっては 入国を制限している国があり、事前にパスポートを更新しておく必要がある。 通常、6ヶ月や3ヶ月の残存期間が必要である。詳細は各国のビザ申請条件を参照して下さい。
News:
2006年3月20日から、IC埋め込みパスポートが発行される。発行手数料は、1000円値上がりし、以下のようになる。(外務省Passport A to Z)
パスポート発行手数料:
5年有効旅券=11,000円
10年有効旅券=16,000円
査証の申請は次節で説明します。
関連リンク
2.1.2 出張・赴任計画
出張の場合、何の目的で渡航するかは明白であり、旅程も自ずと決まってしまう。しいていうならば、どのルートが楽なのか、途中、経由地で何かをする目的があれば(出張するからそうすることが多い)、そういったルートの計画を立てる。
1)経済的なフライトルートであるか(航空運賃を積算するマイレージの最短ルート)
2)ダイレクトフライトか乗換えか
3)フライトスケジュール(乗り継ぎ時間、到着時間帯など)
4)リーズナブルな航空会社、など
2.1.3 フライトの予約と航空券の購入
出張の場合、基本的に旅行代理店をとおして予約購入することになる。航空券には、普通運賃と特別運賃があり、特別運賃は、IATAペックス、ゾーンペックス、ディスカウントがある。用語は、航空券選びの基礎知識(AB-ROAD)を参考にされたい。 航空券を購入することは、航空会社との間で国際運送約款に基づいて、航空券面に記載された区間に関して国際運送約款が結ばれたことを意味する。 以下に航空券の種類と内容を説明する。
普通運賃
ファースト、ビジネス、エコノミーなどノーマル運賃と呼ばれる。全ての航空券の基本になるのがこれら航空券です。発行日より1年間有効、予約変更、経路変更、航空会社の変更、払い戻しなどが可能です。エコノミークラスのノーマル航空券には2種類あり、途中降機、乗り換えにのみ制限があるY2ノーマル航空券は、ノーマルY運賃より割安な設定になっています。
IATAペックス
IATA(国際航空運送協会)に加盟している全航空会社に共通の特別運賃で、エコノミークラス利用の周回旅行に利用できる。有効期間は、ヨーロッパ、北米行きの場合、3ヶ月間です。経路変更、予約変更は不可。取り消し、払い戻しは手数料がかかる。
ゾーンペックス
各航空会社が独自に運賃を決めることが正規割引運賃です。JAL悟空、GETなどの航空運賃。経路、予約変更は不可。取り消し、払い戻しは手数料がかかる。
ディスカウント
もともとは旅行会社がパッケージツアー用に利用する団体運賃の航空券を個人にバラ売りしているもの。帰国便を確定した短期間のFIXタイプの航空券が主流ですが、有効期限が長いものや、帰国便が変更可能なもの、片道航空券など様々な種類があります。ビジネスクラスやファーストクラスの格安航空券もある。
航空券に含まれる料金
殆どの国では、渡航者に対して空港施設利用料、燃油特別付加などの料金支払いが義務付けられている。空港諸税についてはこのサイトを参考にされたい。これらは、航空券に明示されている。因みに成田空港は出国の際、2040円を支払います(航空券に含まれている)。
格安航空券リンク
2.1.4 滞在費の見積り
出張の場合、渡航先によって出張旅費が支給されるケースや全世界共通のケースがあるようだ。これは会社や組織によってことなる。一般的に、日当と宿泊費として出張旅費が支給されるので滞在費の概算はその範囲でと考えることとする。個人旅行の場合は、自分の予算及び知りえている情報に合わせて見積もる。
滞在するに当たって必要な経費は、宿泊費、飲食費、娯楽費、お土産代などである。宿泊費及び飲食費がこの中で最も大きなシェアになるだろう。
宿泊費:
ホテルのレベルと滞在国のホテル事情によるが、通常出張旅費の60%以下にすれば余裕が出る。先進国といわれる国では、東京並みを想定する。
1週間以上の場合はホテルと価格交渉する価値はある。1ヶ月なら尚更だ。また、短期でアパートを借りるのもよい。
食費:
個人の嗜好によるが出張旅費の40%程度であれば足が出ないであろう。
補足
旅券用写真規格の変更とIC旅券の発行開始
2006年3月20日 旅券申請用写真の規格が変更
2006年3月20日 IC旅券の発行を開始
結婚などで本籍地や苗字が変わった場合
各県のパスポートセンターで変更を申請しておく。申請から変更までは、9:00−15:15(月ー金)の受付であれば当日手続きが完了する。要する時間は1時間程度。申請手数料は900円。